角膜外来

角膜外来 担当医 松本 幸裕

担当医 松本 幸裕

毎週水曜日 午後14:00-18:00担当
お電話にてご予約の上、ご来院ください。

  • 経歴
  • 慶応義塾大学眼科学教室入局。
  • 東京歯科大学市川総合病院勤務、慶應義塾大学病院にて非常勤講師。
  • 資格等
  • 日本眼科医会専門医

角膜外来の特徴

角膜に関する専門治療を行います。

※一般診療の患者様も診察いたします。

眼球の最も表面で光を受ける角膜の異常は、視覚に大きく影響し、見え方の質を左右します。当院では、より良い見え方=Quality of Vision を実現する要素としての角膜に着目し、角膜外来として様々な症例に対応しております。なお手術治療等の高度医療の必要な方は、連携医療機関の慶應大学病院にご紹介いたします。

1.ドライアイ

ドライアイとは?

ドライアイとは、涙の量が不足したり、涙の質が悪くなり、涙が目の表面に均等に行きわたらなくなる病気です。目の表面に傷を伴うことがあります。エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、ドライアイ患者さんも増えており、その数は2,200万人ともいわれています。

ドライアイかなとおもったら

ドライアイの治療は、早期治療と定期的な通院がポイントです。市販の目薬で水分を補うだけでは十分でない場合があります。さらには、市販の洗顔液や水道水による洗顔では、かえって症状を悪化させることがあります。少しでも気になったら、専門の眼科医院に相談しましょう。

ドライアイチェック

  • ☐ 目がゴロゴロする
  • ☐ 目が乾いた感じがする
  • ☐ 物がかすんで見える
  • ☐ 目が疲れやすい
  • ☐ 目がかゆい
  • ☐ まぶしい
  • ☐ 目が痛い
  • ☐ 目が充血しやすい
  • ☐ 目が重たい感じがする
  • ☐ 目やにが出る
  • ☐ 目の重たい感じがする
  • ☐ 目に不快感がある

※5項目以上チェックした方は、ドライアイの可能性が高いと言われています。
※このセルフチェックは、簡易的な自己チェックツールであり、病気を診断する物ではありません。

ドライアイの原因

ドライアイの原因は、涙の量の減少と質の悪化です。そして、涙の量の減少と質の悪化の原因は、さまざまです。

  • パソコンやスマホのモニターを見続けるとまばたきの回数が減少しそれにより涙が蒸発し涙の量が減ってしまいます。
  • エアコンなどの室内の冷暖房により空気が乾燥し涙が蒸発しやすくなり涙の量が減ってしまいます。
  • ③主に旧来型の使い捨てソフトコンタクトレンズを装用することで涙が蒸発しやすくなります。
  • ④ストレスにより緊張すると涙の分泌量が減少します。
  • ⑤一部の高血圧治療薬などの薬の副作用で涙の量が減ることもあります。
  • ⑥メイク(アイライン)で涙の蒸発を防ぐ油分を分泌するマイボーム腺を塞いでしまい涙の質が悪化してしまうことがあります。

涙の3つの成分

ここでドライアイをより理解していただくために涙の成分についてご説明いたします。涙は、3層構造で、目の表面に近い部分にあるネバネバのムチン層で涙液を安定させ、一番外側の油層で涙の蒸発を防ぎます。

    • 油層涙の一番外側にあって、涙の蒸発を防ぎます。マイボーム線より分泌されます。
    • 液層涙の主成分で、眼を乾燥から守り、酸素や栄養を角膜に届けます。感染予防、傷の治癒の効果もあります。
  • ムチン層涙の一番内側に多く存在するネバネバ粘液成分。涙液層の安定に寄与しています。

ドライアイの目の表面

4つのドライアイの治療~①点眼薬(涙に働くタイプ)

①保水作用のある目薬による治療

点眼によって涙を補給する治療です。保水作用のある「ヒアルロン酸」によって、目の表面に水分を保持します。従来からある治療で、副作用が少ない一般的な治療です。

  • ● ヒアレイン/ヒアレインミニ

ドライアイの目の表面

②涙の質を改善する目薬による治療

涙の水分やムチンの分泌を促進し、涙液の質を改善する治療です。重度のドライアイの症状やドライアイによる視力低下の改善に期待できます。

  • ● ジクアス点眼液3%~涙の成分であるムチンや水分の分泌を促進し、涙の質を改善します。
  • ● ムコスタ点眼液UD2%~涙の成分であるムチンの産生を促進し、涙の状態を安定させることで、角結膜上皮の障害を改善します。

ジクアス点眼液

ムコスタ点眼液

③涙をためる治療(涙点プラグ)

点眼液で効果が得られない場合は、涙点閉鎖による治療を行います。涙の排出口である涙点を閉じ、涙の流出を抑えて、涙を目の表面に十分にためる方法です。涙点にシリコンや合成樹脂製の涙点プラグを挿入します。

涙点プラグについて

涙点プラグは、外来中に約5分程度で挿入できます。挿入方法は、まず、点眼麻酔をします。次に涙点の大きさを測定します。プラグの挿入は、ワンタッチで挿入できるように工夫されています。ほとんど痛みはありません。

④油腺(マイボーム腺)の機能改善を行う治療

目を表面をおおう涙。実はその一番外側を「油の膜」がおおっています。油の層は、涙を乾燥から守るバリアの役目をしています。この油分は、まつ毛のすぐ内側に並んでいるマイボーム腺から分泌されています。この腺が詰まってしまったりトラブルを起こすと油がスムースに分泌されません。油が固まることやアイメークなどの汚れなどで油の排出口が塞がれてしまいます。蒸しタオルなどで目の周りを暖めることで油を溶かしたり、油腺を塞いでいるアイメークをしっかりと落とすことで油腺からの油分の排出を促します。

2.円錐角膜

円錐角膜とは?

円錐角膜は、黒目(角膜)の中央部から下方が薄くなり、徐々に円錐状に突出してくる病気です。多くは思春期から青年期(10代~20代ぐらい)で診断され、その後進行し、40歳以降になると進行しにくくなる人がほとんどです。
円錐角膜の原因は、特定されていませんが、遺伝・アトピー・関節弛緩症などが原因に挙げられています。特に“目をこする”という動作が、重要な要因として考えられています。

通常の角膜と円錐角膜の違い

通常の角膜と円錐角膜の違い

円錐角膜についてさらに詳しくは
円錐角膜研究会ホームページ

当院では、円錐角膜の治療のうち、コンタクトレンズによる治療に力を入れております。

さまざまな角膜形状に対して、特殊な形状の非球面ハードコンタクトレンズなどを合わせます。コンタクトレンズを装用することにより、見えるようになるというだけでなく、病気の進行を止める効果が期待されています。軽度~中程度の患者様は、もちろん 重度円錐角膜、角膜移植後、クロスリンキング処置後の患者様にも、豊富なトライアルレンズと最新の検査機器をご用意し経験豊富な医師とスタッフが対応させていただきます。角膜移植手術等の高度医療に関しましては、連携医療機関の慶應義塾大学病院にご紹介いたします。

円錐角膜用コンタクトレンズ作製の3つの要素

1.充実の検査機器

①前眼部OCT

光干渉の原理を利用した非接触・非侵襲で前眼部の3次元撮影が可能な検査装置です。特に円錐角膜用ハードコンタクトレンズのフィッテイング時にその威力を発揮します。高度な円錐角膜、角膜移植後の角膜不正乱視などにも対応できます。

前眼部OCT

前眼部OCT

②スペキュラマイクロスコープ

角膜において、五層あるうちの一番内側にある角膜内皮細胞という六角形をした角膜の無色透明度を保つ為の組織の細胞数を調べる検査になります。 角膜内皮細胞は一度壊れると再生する事はないため、コンタクトレンズ装用に伴う酸素不足による減少など定期的な観察が必要になります。

目の角膜内皮細胞写真

目の角膜内皮細胞写真

③ビデオスリットシステム

細隙灯顕微鏡にビデオカメラを装着したシステムです。動画及び静止画の撮影及び保存が可能です。顕微鏡にて拡大したコンタクトレンズの撮影と保存が可能です。使用しているコンタクトレンズの状態を拡大画像でご確認いただけます。動画を撮影する事で、コンタクトレンズのフィティングを多面的に確認する事が出来ます。

2.豊富な種類のトライアルレンズ

様々な形状の円錐角膜眼に合わせるために豊富なトライレンズをご用意しております。

トライアルレンズ

トライアルレンズ

コンタクトレンズ

コンタクトレンズ

3.医師及び検査スタッフ

関東近郊の大学病院で、円錐角膜専門外来を担当している医師と検査スタッフが、快適なコンタクトレンズ選定をいたします。

医師と検査スタッフ

医師と検査スタッフ

3.角膜感染症

角膜感染症とは?

細菌や真菌(カビ)、アカントアメーバ、ウイルスなど病原性をもった微生物が付着して繁殖した状態を角膜感染症と言います。症状としましては、目の痛み、目のゴロゴロ感、白目が赤くなる、涙がポロポロでる、まぶたのピクつきや腫れなどが生じます。角膜(黒目)が白くにごって見えにくくなることもあります。
角膜感染症は、重症例では失明する可能性があり、治癒しても角膜に濁りが残り、視力が低下してしまう場合もあります。眼病の中でも比較的緊急性の高い病気であり、疑わしい場合は、早めに眼科を受診することが大切です。

角膜感染症の種類

● 細菌による角膜感染症

細菌は、玩具、スマホ、お金など私達が手に触れる物に付着しており、皮膚にも常在菌が200種類以上存在していると言われています。通常は直ちに感染を起こすことはありませんが、目の外傷、コンタクトレンズの過装用、ストレスや過労や、ステロイド剤の使用等による免疫力の低下などで、体の防御力が低下していると角膜感染症が引き起こされます。進行すると失明の可能性もありますので抗生物質での強力な治療が必要です。

● 真菌(カビ)による角膜感染症

真菌とは、大気中や生活用水の中などに存在するカビ等のことです。通常は直ちに感染を起こすことはありませんが、目の外傷、コンタクトレンズの過装用、ストレスや過労等による免疫力の低下などで、体の防御力が低下していると角膜感染症が引き起こされます。農作業時に樹木の枝や草葉で目を傷つけてしまい角膜感染症を発症する方も多くいらっしゃいます。抗真菌点眼剤の種類は少なく、治療に長期を要する場合が多いです。

● 角膜ヘルペス

多くの人が、幼少期にヒトヘルペスウイルスに感染し、その後、神経組織に潜んでいます。神経組織に潜んでいるヒトヘルペスウイルスがストレスや疲れや発熱などで免疫力が低下した際に活性化します。紫外線や目の外傷もヒトヘルペスウイルスを活性化させます。

● アカントアメーバ角膜炎

アカントアメーバとは、水中にすむ微生物です。水道水や池にも生息しています。感染の原因のほとんどがソフトコンタクトレンズの不適切な使用です。ソフトコンタクトレンズを水道水で洗う、ソフトコンタクトレンズをつけたままシャワーを浴びるなどの不正使用で、水道水内のアカントアメーバがソフトコンタクトレンズの中で繁殖し角膜に感染します。

4.角膜外傷

目には、チリやホコリ、虫など様々な物が入ることがあり、角膜を傷つけます。ほとんどの場合痛みを伴い瞬きにより涙と一緒に排出されるので問題ありません。ただ痛みが長引く場合や、鉄粉や化学物質が目に入ったときは、注意が必要で、早めの眼科受診が必要です。

(1)鉄粉による外傷

鉄工所などで作業中に目に鉄粉が入ることがあります。角膜に鉄粉が刺さったままになると鉄粉が錆びて角膜表面に残る場合があります。眼科での早めの鉄粉の除去が必要です。
眼科では、細隙灯顕微鏡で角膜を拡大観察しながら、角膜ドリルという専門の手術器具で鉄粉を除去します。

(2)化学物質

洗剤(特にアルカリ性)、有機溶剤、パーマ液などが入った場合、軽傷の場合ほとんどが後遺症を残さずに回復します。ただ、重症になると視力低下などの後遺症が残ったり、失明に至るケースもあります。

目に化学物質が入ったら

  • ①水道水で目を洗いできるだけ化学物質を洗い流します。化学物質が目に入った直後は、痛みが強く洗い流すのは大変ですが、眼科受診前に約10分ほど流水で目を洗い流して下さい。
  • ②眼科を受診する。その際に、目に入った薬物が何かを教えて下さい。洗剤などの場合ボトルをそのままお持ちいただいてもかまいません。